六角レンチの選び方
ボールポイント付L字レンチ
一番数多く売られていて、ホルダー付きで2mmから8mm、10mmあたりまでのセットになっているもの。どこにでも使えそうで、これで全部足りる気がするが、工具の扱いに慣れていないなら、最初に買う六角レンチとしてはお勧めしたくない。
1.5mmは使うところを思いつかないので、6本セット十分なのだが、1.5/2/2.5/3/4/5/6 7本セットが適当かな。ペダル用に8mmがあってもいいので、2.5から8mmの5本セットが欲しいところ。
ボールポイントがだめなわけ
工具穴に斜めからアクセスできるので、早回しできるし、干渉して一周まわせないボトルケージのボルトなんかにも使いやすい。が、ボールポンんと部分は接触面積が減っているので、大きめのトルクをかけるとボルトの工具穴を舐めてしまう。締める側はトルクがあがっていくのでわかるけど、緩める側でやってしまいがち。本締めできるボールポイント、という謳い文句が書かれてある製品がいくつもあるが、普通のレンチに比べてかけられるトルクはどうしても低くなってしまう。STIレバーの固定ボルトなど、L字の長辺側でしかアクセスできないボルトが固くしまっていた場合、ボールポイントで緩めにいってボルトの工具穴を舐めないで済むかどうかはギャンブルになってしまう。
理解して便利に使えるなら良いが、たぶんネジ穴を舐めてはじめて理解することになるだろう。なので、L字のレンチを最初に買うなら、ボールポイントなしのセットにしたい。
PB 1.5/2/2.5/3/4/5/6 7本 レインボーレンチセット
L字レンチよりT字レンチ
L字のレンチで本締めしたり、ボルトを緩める初手としては短辺側をボルトに刺して、長辺側を回すことになる。このとき、工具の先端には短辺の長さx長辺に加えた力のトルクが工具を倒す向きにかかっているので、浅い穴だと舐めることになりがち。普通のボルトだと問題にならないけど、低頭ネジだと工具のサイズが1サイズ小さくなり、工具穴も浅くなるので問題になることがある。(私はM4の低頭ボルトを2mmのL字レンチで緩めようとして工具穴を舐めた。)


これを避けようとすると、レンチを倒さずトルクをかけられるT字レンチやドライバータイプになるが、かけられるトルクが小さいのでL字レンチのように使えるT字レンチがベスト、だと思ってる。この手のT型レンチ、各社から販売されている。オリジナルはBeta 96Tかな。TONEなら1本500円台。
ドライバータイプ
3mmより小さいところは必要なトルクが小さいので、ドライバータイプが使いやすいとおもう。
その他便利そうな6角レンチ
ダックスキーレンチ
L字短辺が短く、狭いところで使える6角レンチ。通常の6角レンチだと振り幅が60度以上ないと掛けかえられないので連続して回せないが、このレンチは両端で90度違う方向に曲げてあるので、30度以上の振り幅で回し続けることができる。こういう工具を必要とする設計に腹を立てつつ、旭金属工業に感謝する製品。2.5mmの触りにくいボルトがあったので、L字短辺が短いものを探して発見、1本だけ買った。